書き手がブログや文章を書くとき、その先にいる「誰か」を意識していますか?
記事を執筆していると、きっと「たくさんの人に読んでほしい!」という気持ちが強くなりますよね。
その気持はすばらしいですが、その思いが強すぎるあまり、いつの間にか「みんな」という、ぼんやりとした相手に向けて書いてはいないでしょうか。
実は、多くの人に読まれる文章ほどった1人の「特定の誰か」に向けて書かれています。
本記事では、読者の満足度を劇的に高めるための「ペルソナ設定」という考え方について、深く掘り下げていきましょう。
なぜ人は書き手の文章を読むのか?
「なぜ、人は書き手の文章を読むのか?」と聞くと、なんだか哲学っぽく聞こえるかもしれませんね(笑)。
ネット上の文章にかぎって言えば、いたってシンプル。
人が検索エンジンを使うのは「何かを調べたい」「悩みを解決したい」という切実な思いがあるからです。
たとえば、次のような悩みがあります。
悩みの例
読者は、この「知りたい」「助けてほしい」という気持ちへの答えを求めて、書き手の文章にたどり着きます。
その期待に応えられたとき、読者は深い満足感を覚え、書き手のファンになってくれるのです。
「ペルソナ」とは?
では、どうすれば読者を満足させられるのでしょうか。その鍵こそが「具体的な相手を想定して書くこと」、すなわち「ペルソナ設定」です。
「ペルソナ」とは、マーケティングやコンテンツ制作でよく使われる言葉です。
製品やサービス、あるいはコンテンツの典型的なユーザー像を、次の例のように「具体的」に設定したものを指します。
「ペルソナ」の例
これらの情報をまるで実在する1人の人物であるかのように詳細に設定することで、「目の前にいる特定の誰か」に向けて語りかけるような感覚で文章を執筆できるようになるのです。
ペルソナを設定する目的は、読者のニーズや課題をより深く理解し、それに対して的確な「答え」を提供する文章を作成することだと言えます。
「みんな」に向けた文章は誰の心にも響かない
では逆に「みんな」に向けた文章ではダメなのでしょうか?
実は「大勢の皆さん」に向けた文章は誰の心にも響かないことが多いのです。
つまり「読者は日本語の読める人です!」というような漠然とした想定では、当たり障りのない、誰の心にも刺さらない「八方美人」な文章になってしまうということ。
情報があふれる現代において、そのような文章は一瞬で読み飛ばされてしまうでしょう。
たとえば、「讃岐うどんのおすすめ店10選」という記事を書くとして、どんな人を想定するでしょうか?
「うどんが好きな人」っス!
いえ、「うどんが好きな人」ではあまりにも漠然としています。そのため、どんな情報を盛り込めばいいかわかりません。
どのような人を想定すればいいのかというと、こちらのような具体的な相手です。
具体的なペルソナ例
どうでしょうか。ここまで具体的に相手をイメージすると、次のようなことが明確になります。
- 座敷のあるお店をリストに入れよう
- 子ども用の取り皿や椅子の有無も調べて書こう
- ピーク時を避けるおすすめの時間帯も伝えよう
- 王道と創作うどんをバランス良く紹介しよう
これがペルソナ設定の威力です!!
もし、それに該当する「Aさん」がいるなら、Aさんに向けた記事を書くのです。
書く側は迷いがなくなり、文章に具体性と熱がこもります。そして、その熱は読者にも必ず伝わるでしょう。
1人のために書くと数万人に届く?
みんなに向けた文章は誰の心にも響かないと述べましたが、逆に「たった1人」に焦点を当てればいいのでしょうか?
はい! 1人に向けて書きましょう。
たった1人に向けて書くなんて、読者層を狭めるんじゃないっスか?
1人のために書かれた記事は、その背後にいる同じ悩みを持つ100人、1000人、1万人の心に届きます。
表面的な属性は異なっていても、世の中には根底では同じような悩みや課題を抱えている人が驚くほどたくさんいるのです。
たとえば、初めての育児で夜泣きに悩む親の悩みは、国や文化を超えて共通するものでしょう。
パソコン選びで専門用語にとまどう会社員は、学生もシニアも関係ないはず。
誰かのために書くという「思いやり」が、結果的に多くの需要に応えることになるのです。
漠然とした「みんな」ではなく、具体的な1人の読者の顔を思い浮かべることで、書き手は以下のようなメリットを得られます。
- 書くべき内容が明確になる:ペルソナの悩みに応えるための情報が自然と見えてきます。
- 言葉選びや表現が具体的になる:ペルソナに響く言葉や、理解しやすい表現を選べるようになります。
- 文章に熱と説得力がこもる:特定の誰かのために書くという意識が、書き手の情熱を引き出します。
ペルソナ設定は、読者の心に深く刺さる文章、そして読者の行動を促す文章を作成するための、非常に強力な手法なのです。
最強のペルソナは「過去の自分」
でも特定の誰かって言われても、なかなか思い浮かばないっス!
そんな方にこそ、ぜひ試してほしい最強のペルソナがいます。
それは「過去の自分」です。たとえば過去にこういう悩みがあったとします。
- ラーメン屋巡りをはじめたばかりの頃、どの店から行けばいいかわからなかった
- 専門用語だらけの解説書を読んで、パソコン選びに挫折しかけた
- 子どもの夜泣きに一人で悩み、途方に暮れていた
過去の自分が何に悩み、何につまずき、どんな言葉をかけてほしかったか。どんな情報があれば、もっと楽に、もっと楽しめたか。
それを思い出して、過去の書き手自身へ手紙を書くように文章を綴るのです。
この方法には、2つの絶大なメリットがあります。
圧倒的な具体性と共感性
ペルソナを過去の自分に設定して書くメリットの1つ目は、圧倒的な具体性と共感性です。
自身の体験なので、誰よりもリアルに、そして具体的に書けます。
その悩みや失敗談は、同じような境遇にいる読者の心を強く揺さぶり、「そうそう、それが知りたかったんだ!」という深い共感を生むはずです。
他にないオリジナリティ
ペルソナを過去の自分に設定して書くメリットの2つ目は、他にないオリジナリティです。
書き手自身の体験は、書き手自身だけのものです。
そこから生まれる文章は、自然とオリジナリティにあふれた「いい記事」になります。
まとめ:読者を意識するのは「究極の思いやり」
文章を書く上で「読者を意識する」とは、小手先のテクニックではありません。
それは、画面の向こうにいる1人の人間を想像し、その人の時間と思いを大切にする「究極の思いやり」です。
ぼんやりとした「みんな」ではなく、たった1人の「読者」に向けて。
ぜひ今日から、大切な誰かや、過去の自分を思い浮かべながら、文章を書いてみてください。
きっと、書き手の文章はもっと温かく、もっと深く、相手の心に届くはずです。